間に合ったッ!! よかった、もう公開できないかと思った!
シリウスについては今までにも他のキャラと絡めて散々語ってきてるんですが、
ここでもう一度だけ思い出語りと共に纏めておきます。
これだけ色々なことを考えさせられる作品と主人公に出会えて幸せだ!
※反転表記なしのネタバレを含みます
言わずと知れたRecallの主人公、なのですが、実はフリー版に興味を持った当初(4/1パッチが出た辺りだったかな)は誰が主人公なのかよく分かっていませんでした。
ゲーム画面のSSを見て、キャラ紹介を見て、実際にゲームを立ち上げて、ようやく「あ、この白髪の人が主人公か!」と納得したというか。アースの方がバナーなどでよく見かけていたからかもしれません。よく見るとタイトルが被ってる部分にシリウスの頭があったんですけどね!(笑) 好感度2のあれです。
確かフリー版では最初難易度がEasyとNormalしか選べなくて、シリウスとレグルスの過去は一度Normalでクリアしないと見れなかったんじゃなかったかな。
すぐにアダーラでレグルスと対峙するところから始まってた気がします。
あそこでシリウスが頭を抱える仕草にドキッとしたなあ!
思えばRecallで一番最初に萌えたのがあそこでした。まさかの主人公! しかも外見から!
フェーンの「貴様、表情が良いな?」に全力で同意せざるを得ません。
美形ってわけじゃないんだけど、あの微妙に変わる表情が味わい深くて好きだな、シリウスは。
Maniacs版では泣いたり笑ったり、更に豊かな表情を見せてくれて楽しかったです。
クロノスEDの若いシリウスも格好よかった!
白髪赤目なところも好みです。
フリー版の頃から、シリウスのことは普通に好きでした。
EDレグルスやEDアース最強を見る前からお気に入りの主人公だったかな。
現状に擦り切れている風なのに、それでもやるべきことをやろうとしていたり。
自分の事は投げやりにしがちでも、人のことはそうじゃなかったり。
強いところも弱いところも兼ね備えた、人間味のあるところに当時から親しみを感じていました。
合成を失敗するたびに泣き言言ってるのが可愛かったな。
基本的にシリウスはどのEDでもヒトに対して反発しないので、それを歯痒く思っていたことはあったかも。
特にBADEDアダーラで、死の間際に薄っすら笑っているところが見ていて悲しかったな。
一応それまで見たED(特にEDストームやEDヴァーユ)で逆らわない理由についてはなんとなく理解しているつもりだったので、もどかしいながらも仕方ないなーと納得していたのですが、そこでEDレグルスですよ!
「ああ、本当に情けなくて滑稽な生き物だ」「馬鹿だな、嫌いに決まっているだろう」
「それにしても、ここまでアダーラの連中が使えないとは思っていなかった。まったく、屑どもが…」
……それまでのシリウスからは考えられないような暴言の数々に暫く呆然としました。
危うくシリウスへの印象が180°ひっくり返りかけたね!
それでも、これが全て本心だとすると今までと辻褄が合わないことが多すぎるので、それまでのEDやイベントを見返しつつ、あーだこーだと腑に落ちる落としどころを考えたなあ。
多分その辺りからシリウスへの思い入れが深まっていったんじゃないかと思います。
結論から言うと、レグルスの「お前は、ヒトを嫌ってなどいない」が全てじゃないのかな。
涙一つ見せずに耐え忍び、死ぬ時にも恨み言一つ言わなかったシリウスにもああいうドロドロした怒りや蔑み、悲しみがあったんだなーと思うと、余計愛着が湧きました。
何も感じていないわけじゃないのは知ってたけど、だいたい受け容れて流しているか、完全に諦めきってるんだと思ってた。実際は表に出せない分ずっと押し込めていただけで、期待していないわけでもなかったんだな。
普通そういった部分はあまり描かれないだけに印象に残りました。
EDアース最強はレグルスが死んでしまうせいか、EDレグルスよりもっと酷いこと言ってるんだけど、それもそういう目で読むと無性に切なかったです。アースのよく分かってなさげなとこに苦笑いしてしまった。でもあれはいきなり言われたって分からんよな!
EDアース最強とEDレグルスは見た順番が逆だったらまた違ったかもしれません。
前者を見てから後者を見ると「おお、意外とシリウスが大人しい!」と思ったりする。
麻痺してるな!
Maniacs版ではその辺りの面がフリー版以上に浮き彫りになっていて、凄く興味深かったです。
もう遊びながら「これ!これが見たかった!」と叫ぶ勢いだった。
浮き彫りと言っても、更に心の闇が強調された感じはしませんでした。
シリウスのぶち切れ描写が一番激しいのは、Maniacs版でも変わらずEDアース最強だと思っている。
むしろManiacsでは普段のシリウスとぶち切れたシリウスの中間が補完されたのが大きかったな。
中でも対リバーや対リゲル、対コロナあたりが直球で分かりやすかったです。
特に対コロナはシリウスがアダーラから離れて落ち着いた状態での本音を聞けるのが良かった。
二人の相性的にも、最も嘘がない組み合わせだと思います。
ヒトに関することじゃなくても、シリウスについてManiacsで理解できたことは多かったな。
リゲルに対する態度とか見てると、あ、意外と好き嫌いもある普通の人なんだなーとか、対レグルスにしても、実は自立心旺盛で気が強い方だな、とか、深く考えずに衝動で突き進むことも案外多いな、とか。
それによってフリー版でもあったイベントへの見方が変わったりして楽しかったです。
主人公と言っても特別寛容深い出来た人間というわけじゃなく、良くも悪くも普通の男の人なのが良かった。
全てが見えてるわけじゃないから時には間違いも犯すけど、そんなところも愛しい。
その上で取り戻そうとして足掻いている姿を見ると無性に応援したくなります。R_EDアース後とか。
と、いうところでぶち切れ最高峰なEDアース最強について再考してみる。
シリウスが現状を認識してからの「死んじまえ!」連呼に震えがきます。「お前らなんてなぁ… 俺は、死ぬ程嫌いなんだよ!!」って、押し殺していたその感情をヒトに直接叩き付けるのはこのEDだけだ。
ある種のカタルシスを感じなくもない展開ですが、よく考えてみるとそりゃそうですよね。
恋愛的な意味じゃないにしろ、シリウスがレグルスを兄弟子として慕っていたのは間違いないわけだから、それを目の前で殺されて怒らない方がおかしい。我慢できなくて当然だ。
だいたい理不尽に迫害されて扱き使われて感謝すらされない、いつ殺されるかもわからない状況が幸せなんて普通ねーよ! それお前の思い込みだよ! と思う。
不幸は不幸であって、それが本当の意味で幸せになることなんて有り得ないです。
シリウスのこれは、自分が幸せだと思い込むことによって苦境に適応しようとしてるだけじゃないかなぁ。
本来シリウスは人に罰されなければ己の存在価値を保てないほど弱い人ではない。
健全な環境にいればそのまま何の問題もなく健全に育った、普通の人だと思います。
じゃないとスカイやレイクなど、自分を卑下する人にああまで強い肯定の言葉を掛けるのは難しいと思うんだ。シリウス自身、自分はもっと認められるべきだ、感謝されるべきだ、と思ってる節がありますし(EDリバー)、心の底から自分が無価値だと思っているわけではないですよね。
そんな人に不幸に酔っているのが幸せだった等と言わせる環境ってどんだけ……!
その人の元々の人間性をこうまで捻じ曲げてしまう環境の魔力というものが恐ろしいです。
だいたい不幸に酔うって、その時点である程度不幸な環境にいること間違いなしだしな……。
自分の手でどうにかしようにも雁字搦め過ぎて身動きできない状況で、そんな風に思い込むことでしか凌げなかったんだと思います。そのまま受け止めて怒ったり憎んだりしていると耐えられないから、感情に一種のブレーキをかけて、何もかも諦めるようにしていたんだと思う。
で、ただでさえそれが長年続いて磨耗してるところにレグルスがヒトに殺されるというトドメが入り、ブレーキがぶっ壊れた結果がシリウスのあの暴走なんじゃないだろうか。
でもそうせざるを得なかった、自分の身を守る上でそれが最善だったっていうのもよく分かります。
ただ、他にどうしようもなかったとは言え、好きだったヒトを殺し、殲滅まで許してしまったのは、シリウスにとって重い澱になるだろうな。過ぎてしまったことはどうしようもないので、せめてアースと平和に暮らしてくれることを祈るばかりです。
シリウスが自分を卑下しがちなのは、どちらかというと村で受けた召還士仲間からの差別が原因じゃないのかな。召還士でさえなければ味わうこともなかったものだ。水属性として発生したレイク同様、生まれつきのもので差別されるのは辛いし、克服するにしても相当きつそうです。
どっちにしてもシリウスの頑張り次第でなんとかなるものじゃなかったと思うので(だって昔から暗くて引っ込み思案だったのかと思いきや、子どもの頃は誰にでも懐いていってたって……! そういえば今でも人見知り?何だそれ?って感じの人だよ!)、それなりに捻くれつつもここまで生きてこられただけ凄いと思う。
かなり精神的に強くないと無理だぜこれ!
いくらレグルスやアースの助けがあっても、普通あんなもんじゃ済まない気がします。
それだけ両親との暮らしが幸せだったんだろうなあ。
シリウスがヒトを好きなのは間違いないと思っています。
「ヒトを守りたい」「ヒトと一緒にいたい」という感情だって、その表現からぱっと連想されるほど綺麗なものばかりじゃないだろうけど、長年差別と迫害に晒されてたことを考えると歪まない方がおかしいのであって、やっぱ根底を突き詰めていくと「ヒトが好き」の一言に尽きるんじゃないだろうか。
好きっていうか、シリウスにとってはそこが自分の属すべき場所、枠の内だったんじゃないかな。
少なくとも、召還士というヒトを超えた存在として生まれるか、普通のヒトとして生まれるか問われたら、シリウスは確実に後者を取ると思うんです。
とすると、シリウスがヒトに対して抱いていた優越感や哀れみは、所詮現状に適応するために後天的に生み出した要素に過ぎないんだろうなー、と。だって今が本当に幸せなら前者を取るだろうもの。
んー……個人的には、あれだけヒトに迫害されてて、ヒトが嫌いだなんだと言いつつ、そのヒトの代表格であろうアークと仲良くしてたり、貴族令嬢の好意に喜んだりと、個々のヒトをしっかり見てるとここそがシリウスが己をヒトだと思っている意識の表れなんじゃないか、と考えていたりする。
何処までいってもシリウスがヒトでしかないのは、自分こそがそう思ってるからなんだろう。
だから、ヒトと召還士を区別して考えるレグルスやリゲルとは相容れない。
そういうことじゃないのかな。多分ですが。
最後にちょっと萌え的な話。
シリウスは総受けだけど、「男性」って感じが強くていいなーと思う。
外見もそうだし、話し方や性格にしてもキラキラしたところのない、普通の男の人ですよね。
そういう人が総受けって言うのがなんかいいな!と思います。萌える!