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ひぐらしのなく頃に祭 盥回し編

盥回し編読了~!

原作にないオリジナルシナリオということで、どうやら初回から読むことが出来るようです。
他にも、選択肢に失敗した時なんかも飛ばされるのかな? 所謂ノーマルエンドやバッドエンドの扱いですね。
他編の展開を考えるに、バッドエンドと名付けるのは悩むところですが(笑)
「祭」全体のプロローグ的な位置づけで、なかなか面白かったです。最後はうっかり泣いた。
初めてひぐらしに触れる人にとっては、色々と興味を掻き立てられる内容だったのではないでしょうか。
以下盥回し編の詳細を含んだ感想です~。

「ひぐらしのく頃に解・祭囃し編」まで読み終わってない方の閲覧はお勧めしません。



とりあえずは内容ダイジェスト。

綿流し祭のクライマックス、皆とはぐれた圭一は偶然魅音の妹・詩音と出会う。
彼女から聞かされた「オヤシロさまの祟り」「連続怪死事件」の話は、その後の魅音の追及も相まって圭一の心に暗く影を落としていた。不審な言動を見せる魅音やレナ、魅音から聞かされた富竹さんの死。更には警察である大石からの接触もあって、徐々に疑心暗鬼に陥っていく圭一。
村を牛耳る園崎家の次期頭首である魅音達に、自分は命を狙われているのではないか……。
そう思った圭一は、御三家の一つである古手家の頭首・古手梨花に真偽を問いに行く。
彼女の答え方は非常に素っ気ないものだったが、圭一は今のところ狙われていないと断じた。そして、そのように狼狽してばかりいるから犬さんに睨まれるのだ、こんな圭一は見ていたくないと言って去っていった。
そんな中、魅音と、その妹の詩音が失踪したという情報が大石からもたらされる。
一時はちょっとした物音にまで怯え、夜眠れなくなる程神経を過敏に尖らせていた圭一だが、仲間達との日々に徐々に心をほぐされ、最後には今の時間を精一杯楽しもう、それでいいんだと思い直す。
魅音も、きっとまた体調を崩して電話に出られず、それで失踪という事になってしまったんだ。俺が余計なことを気にしさえしなければ、これからも皆と楽しく穏やかに過ごしていられるんだ――
十年後。
すっかり衰えた大石は、赤坂という青年を伴ってとある病院へ向かう。
面会の相手は、十年前に起こった雛見沢大災害で、ただ一人生き残った「園崎魅音」。
園崎家の地下で監禁されていたという彼女は、強いショックでその前後の記憶を失い、また心の時も十年前で止めていた。大石の追及に答えず、唐突にトランプを取り出して配り始める魅音。語りかけるのは、大石でも赤坂でも看護師でもなく、かつての部活メンバー達。
……罰ゲーム、なのかなぁ……。教えてよ……ねぇ……圭ちゃん…………
名を呼んだ少年は、大災害によって命奪われ、もう既にこの世には亡かった……。


魅音――――――!!!(号泣)

この話最大の盛り上がりどころはクライマックスだと思います。
それまでは鬼隠し編と綿流し編を無理にミックスさせたような、話の筋の見えない展開に「???」と思っていましたが、クライマックスで納得。よく出来たプロローグだと思いました。

恐らく、全体の展開は綿流し編がベース。それでいて、圭一の心の動きは鬼隠し編をベースにしているんじゃないかと。要するに、何も悪いことをしていない圭一が訳もわからずに追及され、一時は疑心暗鬼に陥るもなんとか抜け出して日常に戻るというお話だと思っておいて間違いない……かな?
要するに、圭一はグッドなことはおろか、バッドな事もほぼ何もしません(笑)
祭具殿にも入らなければ疑心暗鬼の果てに仲間を撲殺するような事も無く、だからと言って真相を究明するわけでもない。魅音に直訴しにいくわけでもなく、反発してみせるわけでもない。殺されるんじゃないかと思いつつ、決定的な出来事は起こらず曖昧なまま。
そして最後はお約束の雛見沢大災害
自ら症候群発症を回避し、ルールXには辛うじて取り込まれなかった圭一ですが、だからと言ってルールYがなくなる訳ではない。なんというか、淡泊なようでいてかなりやりきれない話です。

図書館で会ったのは詩音でしょうね。恐らくは、あの時点で入れ替わり&魅音の監禁が既に起こっていた筈。綿流し編では詩音は詩音の格好をしていましたが、そこら辺は状況によって流動する要素でしょうし、世界によって異なっても特に違和感はないです。
思うに、罰ゲームの帰りがけに圭一と別れた後、魅音は監禁に遭ったのではないかと。もしくはその夜か。この辺は曖昧ですが、綿流し祭の夜に魅音が詩音に監禁されたわけでないのは確かじゃないかな。結末は同じでも、一日ズレこんだのでしょう。村長が殺されていないのは、彼が不用意な発言をしなかったからじゃないかな(笑)

梨花ちゃんが詩音に殺されていない理由は明白。圭一が祭具殿に忍び込んでいないから。だから犬さん(=詩音)に表だって狙われておらず、梨花ちゃんが圭一を守りに園崎家へ飛び込んでいく理由も無い。綿流し・目明しの時点では、梨花ちゃんは黒幕が村の連中であるという可能性も考慮しているわけですから、圭一が本当に狙われているのではと思ったんだろうな。……あれ、でよかったっけ?(曖昧)

魅音(恐らく詩音)が圭一を脅しかけた理由は、うーん。大きなポイントである祭具殿の一件がないから、エサにしようとしていた訳ではないのかも。あ、余所者だから、一応エサにはなるのか。鬼隠しの大石と同じだな。うーん、でもなぁ。今一決定的な理由に欠けるな……。
まぁ、ぶっちゃけ今回は綿流し編と違って圭一自身が症候群発症しかけてるので、その脅し自体もアテにならないんですよね(笑) 綿流し編の圭一は健康体(少なくとも入院するまでは)なので魅音(詩音)の脅しは事実でしたが、盥回し編は明らかに途中まで鬼隠し同様発症状態なので。平和に生きようと思い直す前夜の様子から、L4くらいまでは行ってたんじゃないかな? 鬼隠し編の場合はそのままL5へ進んで末期状態に至りましたが、盥回し編はレナ同様自己回復してるので詳しいことは不明。

レナの脅しも症候群の影響でカタが付くと思います。その他の細かな違和感はライターさんが違うから、でOKじゃないかな。所々キャラクターの口調が違ったり、竜騎士さんの文章に比べてやたら擬音の多い描写などはライターさんの特徴でしょうね。
竜騎士さんの文章で慣れてしまっていると違和感が大きいですが、それはもう仕方がない(笑)
レナが安易に「裏切り者」とか言うかなぁ? という疑問はあったりしますが、深く考えたら駄目かな。

そして圭一は末期発症せず、部活メンバーとの日常に舞い戻る。
舞い戻ったところで梨花ちゃんが殺され、雛見沢大災害発生。
恐らく、圭一は両親や他の部活メンバー達と避難した先でガスによって殺害されたのでしょう。
魅音は災害後に救出されたようなので、避難できなかった=殺害されなかった。詩音が魅音として避難したかどうかは不明ですが、その時既に自殺していたという展開も有り得そう。監禁していた魅音を残して。目明し編の途中、井戸に飛び込みかける展開があったと思うので、そこで本当に実行してしまったか。
どちらにせよ、彼女が生きてさえいれば魅音があそこまで抜け殻になる事はなかったはずなので、大災害によってか自殺かはともかく、詩音は昭和58年の時点で死亡していると思います。

気になるのは詩音が凶行に及んだ理由なのですが、人形フラグは立ってないはずなので、何かそれに代わるようなきっかけがあった……と推測する他ないかなー。それともあれか、詩音が圭一に接触した事で魅音が嫉妬し、詩音に詰め寄ったら墓穴掘ったと。
……うわ、ありえそう……(汗)

梨花ちゃんが詩音に殺害されていないので、「彼女」の計画自体にはこれといった影響が出なかったお話だと思います。当初の予定通り、梨花ちゃんを腸流して大災害発生。
圭一の発症も知れていないので、彼への接触もありません。

他編と比べ、本当にこれといった山場のない展開でしたが、その分最後が辛かった……。
一人取り残される、っていうのはこの上ない不幸かも知れませんね。綿流し編や目明し編のレナは、部活メンバーは全員亡くなっていても雛見沢自体は存続しているので、まだマシ……って問題でもないな……。
もし罪滅し編でレナが生き残っていたとしたら、盥回し編の魅音と同じく最悪です。
恐らく、罪滅し編のレナは赤坂さんが訪れた時点(平成16年?)では亡くなっていると思いますが……生きていれば話に出るはずだし。これも、災害に巻き込まれたのか、或いは災害後に自殺・病死したのかは曖昧ですが、災害に巻き込まれたと思っておいた方が気は楽かも……。


全体的に、鬼隠し・綿流し・祟殺し・暇潰しという問題編4編の展開をうまく小出しにミックスしたお話だったと思います。ちょっと見せすぎのような気もしなくもないけど、コンシューマ版で推理する人もいないでしょうし(だって解編も最後まで入っちゃってるし)、エンターテイメントとして楽しむならこれくらいの甘さで丁度いいのかも。
原作未読とは言え、漫画やアニメである程度展開を知ってる人も多いでしょうしね。
むしろ、雛見沢大災害という単語すら聞いたことの無い人が触れる率は低いんじゃないかとも思う。
そういう人が興味を持ったとしても、ゲームよりは漫画を先に買うんじゃないかなぁ。

自分が良かったと思う点は、梨花ちゃんに相談した時の彼女の対応と、やっぱクライマックスかな。
なんていうか、梨花ちゃんの物言いが圭一の疑心暗鬼を解いてやろうというより「狙われてなんか無いっつってんでしょ、いい加減理解しなさいよこの被害妄想野郎が」と言わんばかりの素っ気なさで逆に好感持ちました(笑)
いい加減嫌気が差してるね梨花ちゃん……!
次章の鬼隠し編における無関心さもわかろうというものだ。後付けだけど。

クライマックスは原作を知っているが故の無念というか、どうにもならない感じが泣けた。
一番残されて欲しくない人です、魅音。可哀相すぎる。
原作において一人死にまくってるのも相当可哀相だけど、生き残ったら生き残ったでこの仕打ち!
後はもう、宵越し編(漫画番外編)の彼女が魅音でありますようにと祈る他ありません。彼女が幸せに暮らしているのかどうかは不明だけど、少なくとも歩いて喋って笑ってるもの! 乙部からかうだけの元気があるし、部活メンバーの思い出に懐かしいねぇと言えるだけの強さがあるもの!
盥回し編の魅音も、あと10年もすれば元気になるのかなぁ。そういえば、OPムービーで魅音の目に光が戻る演出があった。CGの変化も集めきってないし、何処かで回収する場面があるのかも。オリジナル展開で繋がると考えれば、憑落し編のクライマックスかな?

あ、あと鬼隠し編の時も思ったけど、原作のBGMに似せて作ってある曲が多いですね。
今一印象が薄いのは、キャラボイスが入ってるから仕方ないかな。あんまり主張しすぎるとボイス潰しちゃうものね。コンシューマ版のサウンドでメインなのはボイスだと思っておけばいいと思います。
嘆きの森は名曲。ロングバージョンも機会があったら欲しいなー。


さて、次は綿流し編いってみよーう。選択肢で魅音よりの回答を選べばいけるかな?


最後に、圭一ファンの視点で盥回し編のフォロー。
原作問題編3編と比べれば遙かにマシな行動取ったと思います。
逃げたとも取れますが、だからなんだー! 仲間を撲殺したり鉄平*したりするよりは断然マシじゃんか!!
主人公としてはダメかもしれませんが、そんなもん罪滅し以前ならどれ取ったってダメだ。
まぁ他3編にしたって、圭一があれだけ動いた(主に負の方向に)からこそ盛り上がったんだなって事が今回解ったし、そういう意味では主人公らしかったのかも知れん……。トータルの被害数で見れば、綿流し・目明しの圭一はよくがんばりましたとも言えるわけだし……うん、そういう問題じゃないんだけどね(汗)
でもやっぱ盥回し編はかなりマシだったと思う。まぁなんだ、発症状態の人に滅多なこと言っちゃいけませんよという事ですね。立て続けにさえしなければこんな風に自己回復出来ますよと。
……鬼隠し編の巡り合わせがどれだけ悪かったか実感するには、かなり最適なシナリオじゃないかと思いました。今。そういう意味でもオススメです、盥回し編!

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